さて、前回で動くパターンとして「グライダー」を紹介したが、そのグライダーをどんどん作り出すパターン、「グライダー銃」が存在する。

そしてその「グライダー銃」は、なんと、13機のグライダーが適切な角度とタイミングで衝突することで生成することができるのだ。

下の図を見てほしい。13機のグライダーと、右下にブリンカーが配置されている。RUNを押すと、13機のグライダーが衝突を繰り返し、グライダー銃が形成される。そして、ブリンカーに向かって次々とグライダーを発射しはじめる。





余談になるが、パソコン雑誌(MSX FAN)の投稿プログラムでライフゲームを知ったのは1988年のことだった。この時はグライダーが動くのがやっとだったと思うが、それでも十分に面白かった。

それから、次の年の1989年、雑誌の編集部が 58x58 という前回よりもずっと大きいサイズのライフゲーム、その名も大ライフゲームを紹介した。扱いはめんどうだが処理は早いマシン語で作ったものだった。グライダー銃を動かすことができた。

苦労してプログラムを手打ちしてグライダー銃が実際に動くところを見た時には、本当に感動した。グライダー銃のパターンも近未来的でかっこよく、どうやってこんなパターンを発見できるのか、本当に不思議に思った(今でも不思議)。

あれから30年立って、ブラウザで軽々と実現できるようになったのだなぁと思うとちょっと感慨深い物がある。

それにしても、紹介されたのはグライダー銃が完成されたパターンだったから、グライダー13機でグライダー銃が作れてしまうということまでは、当時は知らなかった。これもすごい。しかし、さらにもっとすごいパターンがyoutube で紹介されている。

まず、グライダー銃をどんどん生成するパターンだ。

ここまでになると、もう機械のように見えてくる。グライダー銃銃、といったところだろうか。となると、グライダー銃銃銃、グライダー銃銃銃銃、なんかも存在しちゃったりするのだろうか。

そして、一番衝撃的だったのが、これ。

ライフゲームでライフゲーム。説明しがたいので動画を見てほしい。

ライフゲームを作るには、周りのセルを数えるという演算が必要だ。その演算を実現して巨大ライフゲームを形成していることになり、驚愕だ。

遠く離れた8つの巨大セルの情報を伝達し集約して、次のセルの状態を計算する。生物がいる状態にするときには、「軽量級宇宙船」という「グライダー」と似た移動体パターンでセルを塗りつぶす。単純なライフゲームのルールでコンピュータと同等な機能が生成できるのである。

それにしてもこれを見ていると、手塚治虫の火の鳥を思い出す。どの話だったか忘れてしまったが、火の鳥が主人公を連れて、地球を飛び出すシーンがある。どんどん飛んで、太陽系、銀河系、銀河集団とスケールを挙げていく、そして行き着く先は、なんと、ある生物の一部、なのだというシーンだ。

というわけで、僕からのライフゲームの話はこれでおしまい。

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